倫理と道徳とモラル

教育

道徳心とかモラルがないってよく最近聞くようになったよね

ちょっと前に小学校でも道徳の時間がなくなってまた最近復活したね

小学校で道徳の何の時間かわからないうちに大人になっちゃったような…

あれって何の時間だったんだろう?

そうなんですよね。道徳の時間って何の時間かわからないで大人になっちゃったなんてよくある話ではないですか?でもその学ぶべき事は身についてたりなんてこともよくあります。

そもそも道徳とは何なのでしょうか。今回は道徳について話ていきたいと思います。そして少しでも最近無くなったと言われてしまった理由を解き明かせたらと思います。

道徳と倫理の前に社会の仕組みとは

以前、適者生存の話をしたことがありました。自然界では弱いものが残るのではなく、適したものが残るという話です。人間は個では自然界では弱者で適者でもありはしないと考えられます。それではなぜ人類の文明は発達したのか。それは弱者である個が集まりできるだけ多く生かすような生存戦略を立てたからです。それは人間社会の本質である協同です。協同しないと生存出来ないのが人間です。

そして人間らしい愛情のもと、多くの人が皆んなで幸せに暮らせる仕組みを作ってきました。本能でやりたい事を好き勝手やらないようにする法律のような仕組み、責任を持って子育てする婚姻のような仕組み、様々な我慢の仕組みを作ってきました。それは全て安全に幸せに暮らせるための仕組みです。

社会とは

そもそも社会とは何でしょうか。定義は曖昧で社会学者の論争は今も続いています。

社会とは家族のようなに自然発生したものや、利害、目的などに基づいて人為的に作られたものがあります。

  • 社会とは人間の共同生活の総称。
  • 人間の集団としての営みや組織的な営み。
  • 人間が生活している現実の世の中、世間。
  • ある共通項によって括られ、他と区別される人々の集まり。
  • 仲間意識を持って自ら他と区別する人々の集まり。

色々な定義があります。家族は最小の社会と言われています。つまり、一度も社会に属した事がない人はいません。人が生まれるには必ず親が必要です。一瞬でも生まれた瞬間は社会に属するのです。人は未熟で不完全で生まれてきます。生きていくためには必ず協働する場、社会が必要なのです。そこでは相互の結びつき、影響を与えあい、個人間の相互作用が生まれます。だからこそ共に学びあい、コミュニケーションが必要なのです。

全ての人が安全に幸せに暮らせる仕組みである社会のためには

自然発生した社会ではなく、利害、目的など基づいた人為的に作られるような社会には何かしらの仕組みやルールが必要なのです。それが倫理や道徳なのです。今回は経済的に使われる社会ではなく、人々が生活している現実の世の中としての社会、つまり安全に幸せに暮らせる仕組みやルールが必要な社会を中心に話ていきます。

倫理と道徳とは

倫理とは

人として守るべき道。道徳。モラル。

(辞書.大辞林)

道徳とは

ある社会で人々がそれによって善悪、正邪を判断して正しく行為するための規範の総体。

※規範:行動や判断の基準となる原則。

法と倫理と道徳の域

最小限の倫理・道徳を規定したものが法であり、倫理・道徳は法よりさらに上位にある規範です。法令が求める以上に倫理的、道徳的配慮が求められるのです。倫理は規定で決められているからやってはいけないと頭でわかっている状態です。外から強制力が働いて守らないと罰せられると分かっているのが最低限です。さらに規定としてではなくより良く生きるため、人としてやってはいけないと心でわかっている状態が道徳の域になります。道徳は心の問題、内面的(精神的)な規範として働くのが特徴です。”なぜそれはならぬのか”という理由をさらに問えるのかが道徳の域になります。この域になるにはやはり教育が必要になるのです。

人には良くも悪くも環境適応能力があります。スタンフォード大学の看守と囚人という実験が有名ですよね。看守役は誰かに指示されるわけでもなく、自ら囚人役に罰則を与え始めたという実験です。道徳がないと言われる人が増えたのは社会という環境や教育環境の変化が影響しているのではないかと思います。

社会を安全に幸せにする仕組みには法や倫理や道徳が必要です。そのためにはそのための教育が基盤となります。

道徳の授業は自己の生き方を考え、主体的な判断のもと行動し、自立した人間として、他者と共により良く生きる「ひと」として生きていく上で関わるすべてとの関係において守るべきみちすじ、規範を学ぶ授業です。

社会の倫理・道徳は最初単位の家族からまず学びます。そして友達、学校、社会と拡大していきます。よく生きるための影響を与えられる一人でありたいと思います。

紹介絵本:なんだろう なんだろう

ここで一冊紹介したい絵本があります。

『なんだろう なんだろう』

ヨシタケシンスケ著

道徳教科書(小1~中3/光村図書)のコラムが,かき下ろしを加えて1冊になった絵本を紹介します。

ユーモアたっぷりに深く考えさせられる一冊になっています。ぜひ手に取って頂きたい一冊です。

今回は、倫理、道徳の抽象的な話をしました。次回はその中でも具体例を盛り込んで話しをしたいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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