認知バイアスとは
認知バイアスとは、心理学用語の一種で人が物事を判断する場合において、個人の常識や周囲の環境などの種々の要因によって非合理的な判断を行ってしまうことをいう。つまり、人の思考や考えは偏っており、無意識に物事を短絡的に捉えてしまう性質があるということである。
なぜ認知バイアスが起こるのか
なぜ認知バイアスが起こるのでしょうか。人の脳は日々膨大な情報を処理しながら生活しており、直感的に思考を行うシステムと合理的な思考を行うシステムの2つで処理を行っている。前者の思考のシステムは体から瞬時に身を守るためのシステムである。例えば、目の前にライオンが現れたとする。その場合、瞬時に『危ない、逃げよう』と判断しなければ生きていけない。つまり生き残るために考えをショートカットするためのシステムが元々組み込まれているのである。迅速に判断できる一方、時として非合理な判断をしてしまう性質がある。後者は合理的な判断ができる一方、判断に時間がかかるシステムになっている。日々膨大な情報処理を求められる人のは、無意識に前者の直感的な思考を行うシステムを使っている。特に意識しないと、人は経験や本人の思い込みが影響して認知バイアスが起こるのである。
認知バイアスからの脱却するための文章化のすすめ
様々な認知バイアスを知って、自分の偏った思考から脱却するために情報を外に出すことをしてみると良いだろう。文章にすることで論理が通っているのか、思考を客観的に見ることができる。さらに人に見てもらうことで抜け漏れや、客観性を得られ、別の視点も得られることになる。
認知バイアスの種類
いくつかの認知バイアスを紹介していこう。心理学を使って運営や販売促進、空間の種別により日々仕掛けがされている。つい欲しい物と異なったものを買ってしまったということはないだろうか。
ザイオンス効果(単純接触効果)
- 接触回数が多いほど好感・親近感がわく。
例)スーパーでTVのCMでよく見る商品を選んでしまう。
ハロー効果
- 目立った情報(目に入りやすい特徴がある)により、他の判断に影響を与える。
例)実績のある偉い人の話は正しいと思ってしまう。
アンカリング効果
- ある一定の情報を示されることでそれを基準に考えしまう。
例)値引き(sale)で30%OFFとされると安く感じてしまう。
一貫性の法則
- 自身の行動、発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理が働く。
例)自分がすっとやってきたやり方が正しいと思ってしまう。
はじめに小さな頼みごとを受け入れてもらい、どんどん大きくしていく。
一度受け入れると断りにくくなる一貫性。(フット・イン・ザ・ドア)
返報性の原理
- 何かしてもらった際に、返さなければいけないという義務感がかかるという心理。
例)最初に大きな頼みごとをし、それを譲歩する形で本来の頼み事を提示して受け入れやすくする。
(ドア・イン・ザ・フェイス)
現状維持バイアス
- 現状を維持し、変化を回避する心理。
例)人は特別な理由がない限り、現状を維持して過去と同じ選択をしやすく、今までのやり方で良いと保守的に考えてしまう。仕事を辞めたいのにやめられないなど。
まとめ
日々膨大な情報を処理しなければならない現代の生活には判断する軸が必要である。自分自身で責任を持って判断するためには、認知バイアスなどの心理学を知って判断できるようになっていく自分になる必要がある。人の思考、考えが偏っていることを知り、常に意見(opinion)と事実(fact)にしっかり分け、物事判断していくようにすれば後悔のない、また自分を幸せにする判断ができるだろう。
数ある中のほんの一部の認知バイアスについては紹介しました。また、他の認知バイアスについても紹介していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。