絵本には、”みんなで力を合わせる”っていう作品はたくさんあります。その中でも一見、相容れないもの同士が協力し合う不思議な世界観のある作品を今回は紹介します。
『うんとこしょ、どっこいしょ』のフレーズを何処かで耳にした事はないだろうか。ロシアの民話を再話し、日本で翻訳された”おおきなかぶ”の有名なイチフレーズです。
おおきなかぶのあらすじ
おじいさんがかぶの種をまきました。
「あまい、あまい、かぶになれ。おおきな、おおきな、かぶになれ。」
やがて見たこともない大きなかぶに育ち、かぶを引っこ抜こうとしますが、抜けません。おじいさんは、おばあさんを呼んできて
「うんとこしょ、どっこいしょ」
それでもかぶは抜けません。おばあさんが孫を呼んできます。
「うんとこしょ、どっこいしょ」
それでもかぶは抜けません。孫が犬を、犬が猫を、猫がねずみを呼んできます。
「うんとこしょ、どっこいしょ」
とうとうかぶは抜けました。
※物語をかなり抜粋しています
おおきなかぶの魅力
“おおきなかぶ”は幼児期2〜4歳の読み聞かせや国語の教材でも使われる魅力ある作品です。絵本の良い部分が詰まっています。
フレーズの魅力
一つ目は、なんと言っても繰り返されるかけ声が一番の魅力の一つです。読み進めるとテンポよくくるフレーズに自分もかぶを引っ張る一員にしてくれるような感覚を与えてくれます。
協力の力
二つめは、さまざまな人や動物が協力するという点です。大人、夫婦、子供、動物とどんどん一つ、一つの力は小さくなっていきます。最後に加わった本来、微力であろうネズミの力でかぶが抜けます。小さな力は時として欠けてはならないピースになる事を教えてくれます。
これはロシア民話をもとに作話していることもあり、ロシアの社会主義を暗示しているとも考えている人もいます。人々が協力して仕事をして、平等な社会を作っていきたいということもあるのかもしれません。
絵本ならではの協力
最後に一見、相容れないものたちの協力がわかりやすい形で成り立つのが絵本の魅力です。現実でも食物連鎖など様々全て生きものは繋がっています。しかし、ネズミと猫は中々手をとるシーンは現実起きにくいです。しかし、この作品では猫がネズミを呼びに行き、猫を引っ張り協力します。今、世界には大きな課題が立ちはだかっています。一見、相容れないものでも同じ目的では協力できると信じています。協力できることを願います。
また、この作品であるかぶは自然や大地の恵みです。大地の恵を人、動物など生きものが受け取り、自然との命の輪を感じさせてくれます。
如何でしたでしょうか。今までと違った感覚でまた物語を読んでみるのも良いのではないでしょうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。